百日紅(さるすべり)/遠い夏の記憶を彩る

「遠い夏の記憶を彩る、百日紅の色」
父と母が大切に育てていた庭。
季節ごとに咲く花々を眺めながら過ごした時間は、幼い私に安心を与えてくれました。

幼い頃の私は、リビングやダイニングから、ガラス越しに少しぼやけて見える庭の景色を、ぼんやりと眺めていました。
カイドウのピンク、露草の紫、大好きだったミモザの黄色。
季節らしさをいつも感じさせてくれました。
今振り返ると、あの庭の美しさは、咲いていた花だけではなく、父と母が大切に育ててきた時間や思いまでもが映し出されていたのだと感じます。

鮮やかな百日紅の色を見ると、遠い夏の日の記憶が蘇ります。
実家の庭に咲いていた百日紅の花の色。
そして、夏休みの思い出。
プールの水の気持ちの良い冷たさ。
麦わら帽子の香り。
家で作ったかき氷。
氷を削る時に、手に伝わるひんやりとした感触。
あの日から、50年近くの時が過ぎました。
遠く離れたこの場所から、
「百日紅は、今年も咲いているのだろうか」
と、ふと思います。
思いだけが、あの庭へ飛んでいきます。
・作品名:百日紅(さるすべり)
・制作年:2010年
・画材:色鉛筆
・素材:水彩紙
・原画サイズ:100mm 正円
・額縁サイズ:290×381×27.5mm
〈作品について〉
鮮やかな百日紅の色に、幼い頃の夏の記憶を重ねて描いた作品です。
花そのものの美しさだけではなく、その色を見た瞬間に蘇る記憶や、過ぎ去った時間の温もりまでも作品に込めたいと思いました。
色鉛筆の繊細な重なりによって、百日紅の生命感と、遠い記憶の中にある夏の空気を表現しています。
〈作品コンセプト〉
「丸窓」シリーズ作品
宝石のようにキラキラと輝く、生き生きとした花の様々な表情を
直径10㎝の丸い世界の中に表現しました。
皆様の“明るい未来の象徴”となるように心がけて描いてます。
作品紹介・制作過程→Instagram
作品紹介や制作過程、展示の様子をInstagramで発信しています。
作品が生まれ、人と出会い、展示され、新しい場所へと旅立つ。
その一つひとつの歩みを、大切に記録していきたいと思っています。







