可也山を描きに/安心が土台となる
電車に乗って 可也山を描きに行った。
外で絵を描くのは、二十年ぶりぐらいかもしれない。
最近は体力もつき、とても元気になって、
ずっとやりたかった事を次々と実現してる。
9月の展示会、10月はふたつの公募展に応募することができた。
(落選してしまいましたが)
今月は、来年の3月に個展をする予定のアクロス福岡へ、
個展の宣伝用の絵を提出するため、
毎日、思い存分絵を描く生活をしていた。
絵を描く疲れは気持ち良い。
肩も痛くなるけれど、
その痛みすらうれしい。
沢山描きたいけれど、無理は良くない。
これから何十年もずっと長く描き続けるために。
整体で、描く生活に合う運動の指導も受けている。
休みながら描く、
合間にリラックスする体操をする。
歩く。
少しずつリズムができてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/62/a624c8c1b886a69c5832fffbe543feb6.jpg?1606532762)
電車に乗って、一貴山駅へ。
目の前に広がる田んぼの景色。
綺麗に植えられた苗が並ぶ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/8a/8af91b2a53d72cc52e7a762eb823db09.jpg?1606532762)
浜まで20分。
この浜は4回目。
内海の穏やかさにいつもホッとする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/5a/29c32064d7c015ac2d0d6750bc7ccf96.jpg?1606532762)
曇り空、
海と空が溶け合っていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/c6/bfb4011e04d0e43a1f9b3e370e4f2b4c.jpg?1606532763)
砂浜に、
血管のような跡がどこまでも続いてた。
人も木も基本はこの形だ。
小さな流れが大きな流れに、
大きな流れが小さな流れになる。
小さな流れが大きな流れに、
集まって集まって大きな海になる。
地球の営み。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/6b/5668d7f67b7d38776e81a8b526b58a89.jpg?1606532766)
そして、お目当の可也山。
静かな海に、
逆さまに映る山。
大きな山も視界に入れると小さく感じる。
でも、心で感じようとすると、
山は心の中で、ずっしりと重く、
とてもとても大きい。
この重さが、心の中の安心になる。
この安心が土台となる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/f2/535f2adb570c6a49c2f3a2444a127b52.jpg?1606532766)
日本は大きな大きなひとつ山。
その山の一部を、象徴として描きたい。
生き生きとした樹々が 生き物が育つ山に、
私たちは育まれてる。
この山があるから大丈夫。
この山に応える生き方をしないといけない。
この山に生かされてる事をよろこび続け、
その事を感じながら、
日々を過ごし、
そのよろこびを描きたい。
毎日の生活が私の絵になって行く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/c1/ff0c4a35637492ac799bce2c06fc20b2.jpg?1606532766)
写真を見ながら描くよりも、
実物を観て描くと気がつくことが沢山ある。
感動も沢山する。
筆の動きが早く、
絵の具を乗せる手に、
ぐっと力が入る。
山のエネルギーが伝わって来た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/ff/e22895a63863c5ab11f384783b069fd3.jpg?1606532767)
心が、すーっと落ち着く瞬間。
普段は遠くの景色を見る機会が少ない。
リラックス。
自然を前にするとやさしくなれる。
人工的な硬い世の中は、
ひとを意地悪にする。
何でも自分の思った通りになる気がして、
ならないことに文句を言う。
海と空と山を観ていると、
謙虚にならないと、と思わされる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/1b/76f7f8591715acbeeb747434e105d4d0.jpg)
帰りも畑の間を歩く。
ブロッコリーの畑。
いつも何気なく、買って食べているけれど、
誰かが手間をかけて育ててくれている。
立派な葉が太陽に向けて広がり、
精一杯生きてる。
もっと感謝をして、食事をしようと反省した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/e7/42bc4b3517b16598880af2e8bd55a5f5.jpg?1606532769)
畑の向こうに家が立ち並び、
煙が空に上がって行く。
人の営みを観ている。
駅の前の民家の軒先に座るおばあさんに、
しっぽを立てた猫が寄って行き、
おばあさんがやさしく猫を撫でていた。
何気ない日々の景色。
どの瞬間も、美しい。
2020-11-30 | Posted in blog | No Comments »
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