大樟に近づきたい/活躍する絵

 

この大樟の絵は今、
病院で活躍している。

 

描いたのは、
いつも私を励ましてくれる太宰府の大樟。
5年ほど前から描きたいと思っていたが
「描ける」
とは思わなかった。
あまりにも、大きく、畏れ多く感じた。

 

2年前、アクロス福岡での個展を計画し始めた時、
入り口の、一番最初の絵は「大樟」にしようと決めた。
写真を何枚も撮り、下絵を何枚も描いた。

 

40号のキャンバスに描き始めたのは昨年の秋、
あの樟の大きさ、持っているエネルギーを表現できず、
展示の10日前まで何度も直し、描き続けていた。

 

 

しっかりと地面に立つうねる幹。
腕のように太い枝が伸びていく。

 

人をぐっと救い上げる 手のような枝。
優しくそっと押す 手のような枝。

 

強くたくましい大樟の前で、
沢山の方が立ち止まり、
ずっとずっと眺めて下さる方が何人もいらした。
外からこの絵が見えたから、と入って来られる方も。

 

 

コロナ禍の中、絵が必要だと思い、
絵を探す中で、この絵に出会って下さった。

 

そのお話をうかがって、
とてもうれしかった。
絵は行くべきところに行ったのだと思った。
「もっと大きな樟を描いて下さい」
と言われた。
もっと大きな樟を描かないと。

 

まだまだ、本物の大樟のように描けていない。
技術だけではなく、
私は人としてもっともっと成長していく必要がある。

 

もっと、大きく、優しく、逞しく、穏やかに。
大樟に近づきたい。
2021-05-11 | Posted in blogNo Comments » 

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