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家の似顔絵/思いを重ねて描く
実家の絵を描いた。
この絵を見て父は
「なんか懐かしい」
そう言ってくれた。
そういえば初めて描く。
描きながら、沢山のことを思った。
今の実家を参考にしながら、
過去のいろいろ、
うれしいこと、悲しいこと。
自分のこと、
家族ひとりひとりのこと、
それぞれの思いも想像しながら描いた。
この家を建てている時に、
父はブラジルに転勤になり、
私もブラジルに引っ越した。
その後、落ち着いて、
家族全員で住むことは、
なかったように思う。
それでも、この家は私たち家族の象徴だ。
家も、人も、
それぞれの思いが
絵の下地のように積み重なる。
味になり、表情になる。
家も人のように生きているような気がした。
糸島 箱島神社/象徴となるもの
糸島の箱島神社のある浜辺。
青い海がキラキラと光り、
空は青く、広く、
とてもとても大きい。
空には見えないもの、分からないことを描いていると思い、
その大きさ、広さに
ワクワクしながら、怖くなる。
限りなく大きく、
無数の星々が絶妙なバランスで存在している。
その中に、小さな、とてつもなく小さな自分がいる。
色々と考えるけれど、
単純に今生きていることをよろこぼう。
気持ちがいい!!
美しい!!
うれしくて自然と筆が動く。
浜辺の砂はキラキラと光り、
穏やかな山並みが海を囲む。
海を見守るような箱島神社の存在感。
白く光大きな石は、
まるで真っ白な十二単衣をお姫様のよう。
その場所に感じる特別なもの、
象徴となるものを大切に描きたい。
世界は美しい。
感じたいもの、描きたいもので溢れている。
可也山を 描く/ いつも空を観て空を描く
糸島の可也山を描きに行った。
これ以上のない最高の良い天気。
空は青く、
あまりにも大きく、美しかった。
凄すぎて圧倒された。
青い空と海。
深い緑の可也山は、
海と空の間で、堂々としていた。
描いていると、
分からなくなってきた。
空も海だし、
海も空だ。
全てが関係し、繋がり、混ざり合う。
実は、外で描くのは30年ぶり。
なんとパレットを忘れてしまったけれど、
体が迷わず、勝手に動いて描き出した。
絵の具を直接紙に、色をのせる。
色が光り、動き出す。
どうしよう。
世の中は、あまりにも美しく、
大きく、素晴らしすぎる。
描いても描いても描ききれず。
素晴らしさは、表現しきれない。
怖いぐらいの美しさに震えながら、
描き続ける。
空を描くのはいつだって気持ちいい。
私が描く風景には、
いつも空がある。
その場所の、その時にしかない、
特別の空が。
インクトーバーに挑戦!/続けることと それを捨てること
糸島の可也山を一色のインクで描いた。
PILOTOのirosizukuシリーズの
紺碧の色を使用。
青の色が美しい。
細かい粒子が水に滲むと美しいグラデーションになった。
10月の1ヶ月、毎日お題に沿って絵を描く、
インクトーバーに挑戦(Instagram)↓
#maruartworks → https://www.instagram.com/maruartworks
せっかくインクトーバーに挑戦するので、
持っていたirosizukuシリーズのインクを何処かに使うことにした。
インクの特性を感じるため、
ガラスペンだけではんく、筆も使い、
紙も色々試してみようと思った。
お隣から頂いたレモン。
土筆の色のインクを使用。
ガラスペンを使って描いた茶色の線は、
繊細で強くて、表情がある。
このちょっとした事が絵に個性を生み出すと思う。
巣を作る鳥の絵。
深緑の色のインクを使用。
水墨のように、濃淡で、
鳥の健気さを描こうと思った。
線と濃淡で、
空間、質感、その重さを伝えたい。
地上に出ようとするカブト虫の幼虫。
竹墨の色のインクを使った。
真っ黒な土の部分は書道に使う墨を使用。
インクとは違う質感の対比。
か弱いけれども
強い精神力で地上を目指す。
幼虫を応援しながら描いた。
この1ヶ月、毎日絵を描いて思ったことは、
続けること、
描いて何かを感じ続けることはとても大切だと思った。
そして、今まで描いてきたことの重み。
それを捨てて、感じるままに描くことで、
表現したい何かに近づけることも実感した。
いちど真っさらになる。
描きながら試していきたい。
大丸福岡 kahogo POP-UP STORE/2023.10/18~ 31
maruu デザインのパッケージも福岡に来ます!
kahogo POP-UP STORE
【会場】大丸福岡天神店 本館B1F 【会期】2023年10月18日(水)~ 10月31日(火)
今回は福岡に所縁のあるアーティストの作品を中心に全55作品の展開です。
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鶴亭を学ぶ/描きながら全身で感じよう
鶴亭の絵を真似る。
生き生きとしたい墨の色と線。
学ぶために
最近はひたすら模写をしている。
若冲、北斎、雪舟。
描けば描くほど、
気がつくこと、
感じることが増えていく。
自由な生きた線を描くためには、
もっと、実感が必要だ。
自分が生きている実感。
観て味わい、触れて、聴き、においを感じる。
描きながら、
全身で感じよう。
きっといつか自由に描けるようになる。
そしてもっと自由に感動を伝えたい。s
模写の世界/北斎を感じる
上手さよりも 気持ちよく描くことを!!
北斎の模写をしていると、
筆を通じて
北斎の本気が伝わって来る。
そして、自分の力不足も痛感する。
気を入れて描くので、
とても疲れる。
北斎も鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の模写をして、
この絵を描いている。
模写し、感じながら、
自分の表現を模索する。
楽しく描けるまで、12年かかった。
12年前、北斎の絵を前にして、
強く思ったことがある。
福岡市博物館で開催された
「大北斎展」
生き生きとした線。
動きのある表現。
北斎みたいに描きたい!
そう思った。
体調が悪く、思うように動けなかったけど、
「北斎みたいに長生きしたい」
そう願うことができた。
リハビリの指導を受けながら、
まず、体力作りに歩いて、歩いた。
最初は歩くだけで疲れて描くことはあまりできなかったけれど、
少しずつ筋力がついて体が楽になっていった。
体力づくりと並行して始めたのが、
書道。
北斎だけではなく、若冲、雪舟の模写をすると、
自分が筆と墨をあつかえていない事に気が付く。
まだまだ過ぎる。
墨の怖いところは、
サラッと描いたら、それ風になること。
観る人が観たら、
その軽さが不快なものになる。
書道を学んでそのことも痛感した。
書道を学んで9年。
今も恥ずかしさを学び続けている。
体力もできて、最近やっと時間もできて、
とにかく描いてる。
墨も、水彩も、アクリルも、
今までの集大成として、描きながら、
どう描くか?
どう生きていくかを自分に問い続けている。
50年後の絵日記/深くて重い、今がある
「蛸がバイバイしてたね」
90歳をを超えた母が私に語りかける。
「覚えているよ」
そう応えると、とてもとてもうれしそう。
何度も何度も、その話を繰り返した。
50年前、4歳ぐらいの思い出。
父が釣りが好きで、子供の頃の夏休みの旅行は
海の近くの旅館に、数日間泊まって過ごしていた。
早朝の海、まだ、光の弱い世界、
海は深く深く、透き通っていた。
大きな蛸が現れ、悠々と、大きな動きで、
沖へ、沖へと泳いで行く。
蛸が一瞬、動きを、止めて、手を振るような動きをした。
「蛸が バイバイ してるね」
50年前も、今も、母はこのセリフを繰り返す。
美しい思い出を共有できる幸せを、強く感じる。
とてもとても有難い。
思いが続き、経験を重ね、深くて重い、今がある。
実はこの時、
私にはとてもとても気になっていることがあった。
父が蛸を釣ろうとしていることだった。
心の中で「止めて!!」
と思っていた。
蛸はお風呂に入り過ぎた人。
この時、私はそう思っていた。
だから、バイバイするあの蛸は、蛸になったばかりの人。
人、だと思っていたので、
釣らないで!!と思っていた。
「ゆで蛸になるわよ」
お風呂に入り過ぎないように、
度々、母は私に忠告していた。
それを、お風呂に入りすぎて、
赤くなると、蛸になって、排水溝から、流れ出てしまう。
そう勝手に本気で思い込み、いつも、排水溝が怖かった。
(今でも、少し、怖い)
本気だった。
あの頃の本気が懐かしい。
思うことは自由だ。
自由に思って、描いて行こう。
50年前の私が、
心を自由にしてくれる。
これからだ!!/40年ぶりのニコライ堂
水彩で今のニコライ堂を描いた。
今の気持ちを描く。
描くことが、うれしくて、切ない。
残したいもの、残せないもの。
40年ぶりのニコライ堂は青空を映すビルの中に。
変わったもの、変わらないもの。
感じる事の多かった東京滞在。
40年前に描いたニコライ堂の絵はまだ実家に飾ってあった。
(アルバイト代で絵の具を買っていたので、色数が少ない)
今まで絵を描き続けてこれた事は奇跡かもしれない。
全てのもの、人に街に、
出来事にただただ感謝。
あと何年描けるだろうか、
そう思うと少し不安になる。
まだまだ過ぎる。
今が、折り返し地点だと願う。
これからだ!
今、ここからだ!!
強く強く、そう思う。
猫の絵/私はなぜ描くのか?
猫の形。 柔らかいところ硬いところ。
柔軟な姿はいつ見ても美しい。
猫を描きながら、 何故私は絵を描き続けるのか?
何を伝えたいのか、 自分に問い続ける。
真っ直ぐにこちらを見つめる眼差し。 猫の目を見ていると、気持ちが透明に、澄んでいく。
車の下の猫。
スッと街に馴染む姿。 野生的に都会に馴染む。
猫の生き様を学びたい。
何故猫を描くのか。
かわいいから、美しいから、たくましいから。
その変化する姿は、観ても観ても見飽きず、
描けば描くほど、その素晴らしさを描くことができない事に気がつく。
描いても描いても近づけない。
描くことは理想を学び続けること。
私にとって描くとは、理想に近づくための手段。
感動を描き、描き確認し感動を深め伝えるを繰り返す。
自分の中の何かが、濃く、深くなって行く。
描くことが楽しくて、うれしくてしょうがない。
このエネルギーは、
生きる、描くエネルギーはどこから来るのだろうか。
描きながら、そのエネルギーが、世界に溢れている事に気がつく。
猫の中に、蓮の花の中に、空に、街に。
どこまでも行きたいと思いながら、どこから来たのかとも思う。
描きながら探し、問い続ける。