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蓮(素描)/蓮の心に近づきたい。
墨 半紙(24.2×33.3mm) 2023
10年以上、蓮を描き続けている。
今年も蓮の季節になった。
素描を何枚も描く。
蓮の姿、蓮への思い。
自分の心の記録。
墨や鉛筆で、画用紙、半紙、スケッチブックに
表し、練り込む。
何枚も描きながら、
自分の思い深めて行く。
以前は蓮の花ばかりを描いていたが、
今は大きな葉の姿にも心が惹かれる。
大濠公園、
蓮の葉が風に大きくうねり海のよう。
沢山の沢山の蓮の葉、沢山の命。
命の中に、
白い白い花が咲いている。
蓮の葉は、先の先まで、
葉脈を神経を巡らせ、
太陽の陽を受け止めようと、
光に向けて、
いっぱいいっぱいに葉を開く。
葉のやさしさが、
蓮の花を生む。
美し過ぎて、
有難過ぎて、
何故かとても申し訳ない気持ちになる。
この、たまらない申し訳ない気持ちを
筆に込め、線で表す。
描いても描いても表しきれず、
今日もこれからも描き続ける。
蓮の心に近づきたい。
大黒様/ホッコリと
ホッコリと
大黒様を描いていると笑顔になる。
気持ちよく、
楽しく、うれしく。
光琳の絵を真似して描いた。
布袋様、墨と筆で描く線。
10年前に若冲や光琳の模写をはじめたが、
なかなか気持ち良く線が描けない。
日常で筆を使わないと、
この線は描けない。
そう思っていたところ、ご縁があり、
書道の指導を受けさせていただけるように。
時間があれば、書道の練習をした。
筆と親しく。
墨と親しく。
紙と親しく。
自分の思いをそのまま自然に伝えて、
表現する訓練をした。
先日、やっと先生から
「書道で勉強したことを
絵に生かしてみては。」
と言って頂く。
デッサンと同じで、
基礎が大切だと実感した。
怖いことだけれど、
線は、本気で書いてきた方には
その線の持つ密度が分かってしまう。
絵を観る方の心に伝わる絵が描けるよう、
先ず自分の心を爽やかに。
これからも精進していきます。
月の中のうさぎ/描くと感じるを繰り返す
半紙に墨で描いた絵を丸いキャンバスに貼り、アクリルの金で、月を描いた。
AIにできないのは、感動すること。
爽やかなものは爽やかに 可愛いものは可愛く 格好良いものは格好良く。
うさぎの白の美しさ、輝く月の爽やかさ。
しみじみ感動しながら、
味わって描いて伝えたい。
感じる自分がまず、もっと爽やかになるために、
描くと、感じるを繰り返す。
月の光を感じ続ける。
竜頭水瓶 模写/通じますように
馬の姿をしている。
これは、
飛鳥時代の竜頭水瓶に描かれていた絵を模写したもの。
昨年の秋、東京国立博物館で行われた
「国宝 東京国立博物館のすべて」
に展示されたいた水瓶。
その線と姿に惹きつけられた。
何故、このように美しい線と形を描くことができるのか?
何度も、何度も描き写す。
描きながら、
作った方、描いた方の本気を感じた。
この馬は何処へ行くのだろう。
何を乗せるのだろう。
七世紀。
生きることが大変だった時代。
生きようとしないと生きられない時代。
食べ物でも何でも、求めて求めて、手に入れた。
「有難い」
生きていること、目の前の者、物への感謝、
そして、
生きたい!!と思い、
何かを求め続ける。
描くことは、
願うこと、求めること。
何枚も何枚も描きながら、
これでは、まだ
「通じない」
そう思う。
もっと良い線で、
良い形で、
求め続けたら、
何か、
本当に美しい世界を感じることができると思う。
観てみたい。
描いてみたい。
月とうさぎ/月にあるもの 残るもの
月の中にうさぎがいる。
月食の日は落ち着かなかった。
何度も外に出て、
空を見上げ、
カメラを構える。
買って4ヶ月のデジタルカメラ、
LUMIXーGF10。
まだまだ使い慣れないけれど、
沢山撮影した。
上手く撮れていなくても
自分が撮影した写真を観ると
その時を思い出す。
娘と一緒に空を見上げた。
「赤いね、怖いね」
と娘が言った。
感想を伝え合ったよろこびが、月に残る。
赤い月はひとりで見た。
撮影画像を見て、反省をしながら、
カメラの設定を変えて撮影を試みる。
赤い赤い月。
いつもは光ってくれている。
光をここに、
届けてくれていた。
私の前に月があって
私の後ろ、足元に大きなお大きな
地球がある。
地球にひっついている自分はなんて小さいのだろう。
明るくなり始めた月は
ベランダから見えた。
月の質感が分かる。
月は硬い。
触るとどうなのかな?
太陽の光が当たりはじめたところは、
温かいのだろうか。
想像の中で、
月を腕の中に抱えてみる。
赤ちゃんのように、
やさしい重さ、心地の良い温かさ。
いつもの月を観てホッとした。
明るい月の光が心に差し込む。
夜も昼も月はそこにいてくれる。
明るい明るい
月の光を浴びる。
とても大きく感じた。
大きな大きな月に
包まれた。
この感触、この心地よさをずっとずっと忘れない。
何度も何度も思い出そう。
展示会のご案内/kahogo.展 vol.4
kahogo galleryにて
「蛙」「紅葉」「ツバキ」
の3点を展示販売させて頂きます。
絵を観て感じて頂けたらうれしいです。
『kahogo.展 vol.4』
【会期】2022年 10月18日(火)〜10月30日(日) 展示会は終了してます。
【営業時間】
火、木、土、日10:00~17:00
【会場】kahogo ギャラリー
〒176-0012
東京都練馬区豊玉北4-22-1 2階TEL03-6861-4710
【入場無料】
11名のアーティストが参加します。
絵を観て感じて頂けたらうれしいです。
こっちを観ている福岡タワーを/新鮮な気持ちで
空と空気を映す。
早朝の福岡タワーの写真。
朝、昼、晩。
海まで歩いて「キレイ!!」って思った時に撮った、数年分の写真。
福岡タワーの中に水族館の水槽のように、
真っ青な空と、白い雲が入り込む。
白い雲が魚のように泳いでいた。
夕方、西に赤い陽が沈むと、
柔らかな色に変化する空に 福岡タワーが溶け込んで行く。
たまらない。
その日が終わる寂しさを感じながら眺めていたら、
あまりの美しさに、
嬉しい気持ちと、寂しい気持ちが混同した。
嬉しい気持ちと、寂しい気持ちが混同した時。
ー生きてるなー
と実感する。
目の前のものは刻々と変化する。
福岡タワーを、建物として見ていたら、
形も、色も変わらない。
「映すもの」としてのタワーは 一瞬一瞬変化する。
人も、同じ。
その心には、様々なものを映している。
いつも新鮮な気持ちで観察しないと。
観察して、感じるだけでいい。
それが優しさだと最近知った。
百道浜から撮った写真も
まだまだ沢山ある。
日々変わる、砂浜の模様、波の色、光。
いつか全部繋げて、
スライドショーを作りたい。
写真も絵も
いつも新鮮な気持ちで観察し表現し続けよう。
じっと見ていると、
向こうがこっちを見ていることに気がつく。
東京タワーもスカイツリーも描いたから、
福岡タワーも描きたい。
こっちを観ている福岡タワーを。
宇宙の「う」/自分らしい表現方法
まるう、の「う」。
宇宙のう。
2.5cmの石のハンコ。
細い線を彫るのがどんどん楽しくなって、
新しい印刀を使ったら、とても彫りやすい!!
楽しくて、
ついつい何時間も彫り続けてしまい、
腕が痛くなり、整体へ。
熱中すると時間を忘れるのは、
良くないところでもあり、
私の個性でもある。
50歳を過ぎると、
無理は体に出る。
個性が体の不調として出る。
無理をせず、続けるための工夫を、
これからは、しっかりとしないといけない。
1cmの「う」。
プラモデル用の拡大鏡を装着しての作業。
線を細くする前の状態。
微妙な線にこだわって彫っていく。
10月の書道展の作品のために作りはじめた落款。
石のハンコも完成。
作品に押す。
緊張の瞬間。
全作品に押し終えて、ひと段落。
2月から熱中していた、書道から、
絵の制作に比重を変える。
書道の線を活かした絵を描く。
描いた絵の発表の方法も試行錯誤。
パソコンやiPadに向き合いながら、勉強中。
焦らず、ひとつひとつ。
私が感じた宇宙を、
自分らしい表現方法を見つけていきたい。
落款印/応用と融通
単純な線の個性。
石のハンコを作った。
まるうの「う」。
思った通りにならなくても、
なんか味がでるのが、
石のハンコの良さ。
石の個性が助けてくれる。
落款印は自由な形で「作者」を表現する。
もっと自由に、色々な方法を楽しんでいきたい。
丸の字をデザイン。
1㎝と2㎝、朱文と白文の石のハンコ。
書道の字に合わせるために何種類か作った。
ハンコを作りながら思うこと。
ー応用と融通が必要だなー
基本と単純な作業を繰り返しながら生まれる、
応用と融通。
最初は彫るのがキツかった細い線も
どんどん彫るのが楽しくなって行く。
キツいかもしれないけど、
何でも、やり続けないと、
応用と融通が出て来ない。
その先の楽しさも生まれない。
もっと楽しむために、
必要ないことはまだまだ沢山ある。
絵、書、落款、パソコン、動画、カメラ…
勉強したいことばかり。
昨日はゴム板を買ってきた。
やりたい事も増えて行く。
「蓮」/蓮に近づく
篆字の「蓮」。
とても難しく、練習を続け、
書けば書くほど、奥の深い世界にはまっている。
篆字の美しい造形。
字は、何かを伝えるために生まれ、
変化し続けている。
ー美しいー
書きながら、何度も思う。
今は、活字を見る機会が多く、
記号のように、字を読むけれど、
昔、字は感じるものだった。
感じながら、感動しながら、
書き続けたい。
ギュッと実の詰まった、
蓮の蜂巣のように、
充実した蓮を書きたい。
書きながらもっともっと蓮に近づきたい。